修理関係, 電動車椅子
普段の仕事

「普段の仕事」なんてタイトルにしましたが・・・

日常の仕事のお話です。

 

修理などでお預かりした、車椅子に画像にあるパウチの札を付けます。

 

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沢山の車椅子の指示内容が判るような工夫です!

 

「金」は金曜日納品です

「パーツ手配」は交換部品など手配中の意味

「清掃サービス」は有料ですが、車椅子のお掃除サービスの対応の意味です!

 

「CHECK」は異音がするとか急に止まる、エラーが出て走れないなどでほぼ電動車椅子になります

タイヤやバッテリー交換とか、はっきりとした指示内容ではなくて原因を見つけてから調整したり

部品交換が必要な場合は価格を調べて連絡したり・・・ ちょっと大変な仕事です!

 

メーカーの設定するエラーが出れば、話は簡単ですが・・・ そんな簡単な仕事ばかりじゃありません(笑)

症状があるから修理依頼でお預かりしてるのに「再現しない」とか「意味が違う?」なんてこともあります

2月が28件、3月は38件でした。5分もあれば解決する作業や、原因が判るまで数日要するものもあります。

 

もし同じ症状で困ってるなら「迷子」にならないように、修理事例や注意点などを紹介しましょう・・・ 

皆さんご存知の「JWX-1」です!

 

 

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ワイヤーやハーネスの結束を確認します・・・ イメージ画像です!

 

修理依頼として「手動」「電動」の切り替え操作をしても、片側のユニットが駆動しないことがある・・・という症状です

「何度かレバーを動かすと直る」とか「電源を一旦切って再起動すると走れる」とか追加の情報があるのですが

「自己再生」する機能はないので「あれっ?」いつもと違う! なんて時は何が原因か確認が必要です。

取り扱いや操作ミスならいいんですが・・・  

 

普段と違った症状など、お客様から聞いたら早めに対応した方がいいですよ

ホントに・・・ どこで「止まる」とか「動けなくなる」なんて選べないでしょ?

考えたら、怖いことです!

 

 

 

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クラッチワイヤーのカシメ部分が抜けてます。

 

ワイヤーが破損しているので切り替えレバーを操作しても、逆側のユニットは「手動」から「電動」へ切り替わりません・・・

なんでこうなるか・・・ 原因はいくつかあります、例えば

 

 

・後方のハーネスやワイヤーを掴んで持ち上げたとか

・かばん等荷物を後方へ掛けたりして、ワイヤーの取り回しに負担が掛かっているとか

・車体を折りたたんでから、開く際にバッテリーなどに引っ掛けたまま車体を開こうとした 

などなど・・・

 

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無理に引っ掛けましたが・・・ こんな感じです。

 

車体を開く際に、無理に力を掛けてしますと、クラッチワイヤーが破損します・・・

ワイヤーが弱いんじゃなくて、本来掛からない「力」が掛かるんでそりゃ~潰れます。

バッテリーの差込み口部分も曲がってしまいます、だから点検の時など怪しい取り回しの時

私は張り調整の背シートなら、ワイヤーなどをシートの中に収めるなど変更しています。

 

例えばこんな感じで・・・

 

 

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その1です

 

 

 

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その2

 

ナイロンベルトを使い背シートのネジにワイヤーとハーネスを寄せて固定します。

これだとバッテリーに引っ掛かったり、かばんを掛けてもシート側にあるので影響しません。

 

作業後は取り回しに無理がないか、ワイヤーやハーネスなど車椅子を開閉させて問題がないか

動作確認は必ずおこなってください!

ある程度使用されている場合は、ワイヤーなど交換してから取り回しの変更をお勧めします

ワイヤーに癖が付いている場合に、しっかり戻らないことがあります

 

 

手動から電動に切り替えて走行する際にジョイントワイヤが微妙に戻らずに

右操作(切り替えレバーも右)なら右ホイルが少し動いた後に左ホイルが「カチッ」と音がしてギヤーがつながることがあり

左に曲がるような動き出しになります。

 

ワイヤーが痛んでる場合もあるので、部品交換と取り回しの変更で対応しています・・・

ジョイントワイヤの位置での遊び調整が1~3mmなど、部品交換後の調整も忘れずに~!

 

クラッチワイヤーに問題なく切り替えもできているけど・・・ 「手動のまま」なんて言われる症状もありますが。

ユニット内部の「遊星ギヤー」が摩耗など破損した場合で切り替えレバーは電動の位置ですが

電動の状態で、どちらかのホイルがで「軽く引っ掛かり」があるけど押すと「ガリッ、ガリッ」とギヤーの滑る音がして

動くので確認できます。

 

 

一定の使用条件や過酷な場合は「ちょこちょこ」発生する修理です・・・ 

でも多くはありません。

 

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こちらが「遊星ギヤー」です!

 

 

分解に特殊な工具が必要で、この作業はメーカー送りで対応しています・・・

 

 

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部品外すと中はこんな感じです!

 

見る機会がないと思いますので、ど~ぞ!

特殊工具とか内部の画像とかまだあるんですけど、オープンにしていのか判らないんで

ここで終了します(笑)

 

 

長くなりましたが・・・ 

もう1つ「迷子」事例の紹介です

 

 

電動と手動の切り替えレバーは動かしても、レバーの逆側のユニットが手動にならない・・・?

なんてこともありました。

たまたまとか悪いタイミングが重なってのことで、通常頻繁にあることではないと思うのですが

参考程度で見てください!

 

 

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〇印部品がジョイントワイヤです

 

ジョイントワイヤが動かない(稼動域が狭い)場合です・・・ 

私は未遂を含めて4件程度確認しただけです。

※未遂は、症状は発生してませんが・・・ 寸前でした(笑)

 

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〇印部分が手動時の正常な部品位置(電動)の画像です。

 

 

 

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こちらが修理車両の状態です

 

 

「プレートシフト1」と呼ばれる部品の上にピンが見えます!

手動と電動の切り替えレバーを操作した際に、ジョイントワイヤを動かしプレートシフト1を上に持ち上げれば

電動走行の状態で、下に戻すと手動状態になります・・・

画像の位置では、ギヤーはつながったままで手動に切り替えできません

 

原因はいくつか考えられますが、プレートシフト1の上にジョイントワイヤからの部品が乗り上げた

ため電動のまま手動にならない状態でした。

 

プレートシフト1を固定しているボルトが緩んでいたので

脱脂してネジロックを塗布して組み直して終了となりましたが・・・ あ~疲れた!

 

症状の聞き取りも、情報の一部分が抜けてたりしますが・・・

操作ミスでしょ~ なんて高を括るとこんなこともあります(笑)

症状や現象の確認や聞き取りは大切ですよ!

 

 

参考での修理事例です、不十分な対応ができない場合は安易に分解整備せずに販売店などに依頼してください!

規定トルクでの組み付けや、部品の交換箇所の指示・遊びの調整などありますので単に分解して組み付けるだけじゃ

ありませんのでよろしくお願いします。

 

《注意》

ホイルアセンブリの取り付けは、クリップをしっかり奥まで入れてからワッシャをセットして

ロックナットを規定トルク55~60Nmで締め付けないといけません。

「工具がないから」とか「これぐらいでしょ~」と感覚の作業は「NG」です!

 

 

普段の仕事・・・ どうでしたか?

車いす安全整備士ボイスを楽しみにしている、皆さんのお仕事の参考になればと思いますが・・・

参考になるかな?

 

「プロメンテ」では、こんな内容もチェックや調整したりします、コンディション良く使うためには初期の段階から

整えています、だから「迷子の仕事」になりません~

 

 

車いす安全整備士の大西でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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