すべてにおいて完全な製品は無いと思います・・・ 「長所と短所」があるように。
短所だけを取り上げて、製品がどうこう言うのは好きじゃありません。
メーカーさんも日々製品の向上に努力されています・・・
修理や整備に携わる人は「短所」や「弱点」を常に注意する必要があると思います!
「最近どうでっか~」 ← 車椅子は答えてくれませんが(笑)
でも、何らかのサインは出しています・・・ 音であったり、部品の磨耗とか。
のっけから意味不明でしょうか?
「タイヤ交換しました~」
「ブレーキ調整OKです!」とか・・・
作業を正確にできることも大切ですが、製品の弱い所をしっかりと観て調整したりする・・・
それも整備に必要なことです。
これから紹介する内容は、くれぐれも誤解しないで下さい!
製品が「どうこう」と言ったことではなく、整備に携わる仕事をする人は製品に愛情を持って対応して頂きたいと
考えますし、車椅子を完調にする役目があると考えます。
だからそういった視点で内容を参考にして頂きたいと思います。
では、「チラッ!」といきましょ~
ミキさんの「グランドフリッチャー」ですが、操作時に音がするとの内容でした・・・
納品から8ヶ月程度経過しています。
私的な考えですが、増し締めや細部の確認は半年から1年のタイミングでおこなうべきと考えますが・・・ 現実はね~
※使用状況の違いもありますので、状況にあわせてベストなタイミングを見つけて下さい。
操作時のキシミ音
操作時の音鳴りに関しての対応ですが、まず音を確認しないといけません!
あれこれ操作しながら、音と手に伝わる部分を確認していきます。
画像にあるティルトする際に支点となる、このボルトからキシミ音や振動があります。
裏面です!
音と可動時にキシミがあります、フレームのボルト穴やワッシャーの接触する部分に潤滑剤を塗布します。
※ネジ部分には潤滑剤が付かないようにして下さい、ネジの緩みなどの原因になります!
脱脂してからの組み付けが必要です!
問題はないのですが・・・
補強バーの部分ですが、こちらもバラシテ確認します・・・ なんでか?
こちらの固定しているボルトが全ネジと呼ばれるタイプです。
開閉をする際、ボルトとの固定の遊びがあると補強バーの内部が削れたりします。 ← 長期の使用の場合です!
私的なチェックですので、参考にして下さい!
〇で囲んだのが固定に使用している部品です。
ワッシャーに潤滑剤が塗布されていました、スムーズに動くためには必要な対応です。
当然ですが補強バーのボルト穴には削れた痕跡はありません ← 当たり前ですが!
適切なサイズとか組み合わせの問題もあるのかな?
画像にある半ネジにすれば、削れたりする心配がないのと思うのですが・・・
大西~!細かい~って思われるかもしれませんが、製品のチェックは必要ですよ。
こうなことでも、メーカーさんには大切な情報になることもあるんですから!
分解するときは、薄口のスパナも必要なので六角レンチだけで勝負を挑まないように!
補強バーに貫通してる部分に薄くグリスを塗って、ネジロック剤を塗布して・・・
操作に影響がなく・・・ 遊び(ガタツキ)がないように固定します!
ティルト・リクラのメカロック取り付けワッシャー・・・
分解すると磨耗が確認されます、これらも細かい音の原因になります・・・
磨耗は酷くないので、潤滑剤での対応をしておきます!
今回使用した潤滑剤はこれ!
「ドライファーストルブ」です、フッ素系でスプレーしたらすぐに乾きベタベタしません!
可動部には便利ですよ~
締め付けの確認は、しっかりと!
ワッシャーに潤滑剤を塗布して組み付けますが、メカニカルロックの動作に影響がないように確認して
組みつけていきますが、レンチを当てて締め付け加減を確認します。
ここだけで8ヵ所あります・・・ 大丈夫です!と答えるには苦労や時間を惜しんだらダメです。
最後の仕上げ~!
足踏み連動のブレーキ! こちらも使用を続けると遊びができますので、必ずダブルナットで固定されていますが
金属がこすれる部分には潤滑と遊びの調整は忘れずに!
弱点とか短所と表現しましたが、この部分は私たちがしっかりと調整したり注意すべき部分だと思います。
車椅子を安心してご利用してもらえますしね!
今回はミキさんの「グランドフリッチャー」でしたが、すべてのメーカーさんの機種にも状態にあわせて
対応をしていますよ!
でも作業は正確にお願いしますね、工具やネジロック剤とか必要な物があります!
私の作業の紹介なので、もしかしたらミキさんが怒って来るかもしれませんね~ ヤバイ!
車いす安全整備士の大西でした!